ぶどう畑が広がる小高い丘の上に建つレストランから、船形連峰や七ツ森の山々をはじめ遠く太平洋までぐるりと見渡せる抜群の眺望。宮城県のワイナリーの中で最大規模の畑を持つ了美ワイナリー&ヴィンヤード(宮城県黒川郡大和町)は、そのロケーションも訪れる人を魅了しています。2021年、丘の上のレストランに隣接して宿泊施設の「Retreat了美 七ツ森(リトリートりょうみ ななつもり)」がオープン。「あのワイナリーに泊まれるの?しかも貸し切り!?」とまたまた話題をさらっています。
滞在中はご自由に…という1棟だけの宿食分離の貸し切りタイプ(定員5人/最大7人)に、女性4人で宿泊体験してきました。
当日はあいにくの雨でしたが、部屋に入るとみんなのテンションが一気に上がりました。北欧風にシンプルにまとめられたインテリア。テレビはなく、薪ストーブがあるのもオシャレな雰囲気です。ぶどう畑を眺められるお風呂に加え、なんとサウナも。キッチンの調理器具やシャンプーなどのアメニティなどもぐっとくるチョイスです。
食事は、食材を持ち込んで調理もできます。楽しむ方法はいろいろありそうですが、今回は日ごろの疲れを癒す「ご褒美お泊り会♪」ということで、夕食、朝食ともレストランにお願いしました。
前菜はboxに入って盛り付けもおしゃれ。レストランのような雰囲気で食卓を囲める
夕食は、前菜・サラダ・スープ・メイン・パンに、イワナの釜めしや大和町の黒にんにくなどがセットになったタイプ。ケータリングともテイクアウトとも違い、着くとすでにセットが冷蔵庫に用意されており、それを自分たちで温めるなどして食べます。了美ワイナリーの自社畑の野菜や地元の食材を使った料理は、ワイン(お酒)にぴったり。前菜などはレストランでいただくような盛り付けで、味、ボリュームとも満足&満腹でした。
「マスカットベーリーAスペリオール2019」は世界の女性ワイン専門家が審査するワインコンクールで金賞受賞
飲み物は、レストラン棟に併設のワインショップで購入した赤、白のワイン2本に加え、途中で買ったビールやそれぞれ持ち込んだお気に入りの日本酒やシードルなどなど。こんな風に自由にあれこれ持ち寄ることができるのも楽しい。
こんな夜だから?シードルの飲み比べも
自分たちのタイミングで飲んで食べて語って…。帰りの心配なくそのまま眠れるのが醍醐味です。とはいえ少々飲みすぎたので、楽しみにしていたサウナはパスし、お風呂だけ入ることに(後から聞いたらサウナもちゃんと楽しんだ人もいました)。
到着時に降っていた雨も上がり、自分たち以外に周りにいないので物音がほとんどしません。一棟貸しならではの静けさを贅沢に感じながら就寝。
翌朝、まだ暗いうちに外へ出ると、星の残る空の東の端にほんのり薄紫のグラデーションが。すがすがしい空気に包まれながら、日の出を拝むことが出来ました。周りの山々やぶどう畑も朝日を浴びて刻々と色合いを変えます。泊まりならではの景色に感動。その後は二度寝…!
コーヒーを丁寧にいれて(もらって)飲みながら、それぞれ支度を整え、のんびりと朝が始まりました。朝食セットも冷蔵庫に入っており、それを自分たちが起きたタイミングで調理&盛り付け。サラダやスープ、ソーセージにスクランブルエッグと充実の内容でした。
小さなことなのですが、「気が利いてる」と感心したのが、
コーヒー豆がたっぷり用意されていたこと
朝食セットのほかに材料を持ち込んでガレットを調理
早坂勇人専務。これからテントサウナ企画の打ち合わせとか。ご自身がワクワクしてプランを立てている様子が伝わってくる
ワイナリーの自然を身近に感じながら、ちょっと日常から離れた贅沢な時間を過ごせました。デジタルデトックスするのもいいし、リモートワークに利用するのもよさそう。雪景色も芽吹きの春も季節ごとの景色も楽しめそうです。
了美ワイナリー&ヴィンヤードの早坂勇人専務にお話を伺うと、ごく身近な人たちだけで泊まれる貸切の宿泊施設とあってコロナの状況下でも人気。自然あふれるワイナリーでの時間をより色濃く過ごしてもらおうと、今後はぶどうの収穫などの体験を組み入れた宿泊プランも予定しています。レストランではメーカーズディナーや音楽イベントなども行っているので、イベントの後にゆっくり宿泊するのも良さそうです。アイデアマンの早坂専務がいろいろなプランを打ち出しているので、今後の動きも要チェックです。