希少種でつくる、絶品アップルパイ

2021年11月2日

福島県北部に位置する伊達市で、「果物のある暮らし」を理念に果樹を育てているのが「伊達水蜜園」。代表の佐藤佑樹さんは、東日本大震災をきっかけに農業に従事し、自ら厨房に立ってスイーツ開発にも取り組んでいます。

グラニースミスという、青いりんご

佐藤さんが育てているグラニースミスという青いりんごは、日本ではまだメジャーではありませんが、欧米ではとてもポピュラーな品種。ことアップルパイをつくるのに適したクッキングアップルで、その酸味が大きな特徴なのだとか。「酸っぱくて、熱を加えると甘くなるのが特長です。うちは福島以外に長野にも農場があるのですが、近くでグラニースミスをつくってらっしゃる方がいて。その方に苗を分けてもらったのが始まりです。もともと、りんごでは紅玉という酸っぱい品種をメインでつくっていたので『ラインナップのひとつとしてやってみよう』と思ったんですよ」と、佐藤さん。

ところで、伊達水密園はなぜ長野という離れた土地にも拠点を構えているのでしょうか。「原発事故による土壌汚染が懸念されて、『もう福島で農業は続けることはできないかもしれない』と、両親が2011年の5月に長野に移住したんです。土地を買って、ゼロから時間のかかる果樹を始めました。今思うとすごいですよね」。

佐藤さん自身は「震災後、福島のため、この地域のために何かしたいという気持ちが強くて。福島の農業がかなりのダメージを受けてたので、『じゃあ、自分が農業をやろう』となりました」と当時を振り返ります。

人を巻き込んで、継続可能な農業を

苦労や苦悩を乗り越え、気づけば10年。佐藤さんは、この福島で果樹との対話を続けています。「『観察に勝る技術なし』というのは、僕の両親にりんごづくりを教えてくれた師匠の言葉なのですが、本当にその通りだと思います。りんごにも顔があって、日々表情が変わるんですよ」と、佐藤さんは優しいまなざしをりんごに向けます。

冬の寒い時期にはたったひとりで800本の木を剪定し、夏の酷暑の中で収穫に精を出す。土とも対話を重ね、独自で有機肥料をブレンドし、この土壌にあったものにする…。ハードワークの最たる仕事ですが「ありきたりですけど、自分の作ったものを食べて『おいしかった』と言ってもらえるのがうれしいんですよね。それに、『果物のある暮らし』ってなんか素敵じゃないですか。見た目もかわいいし、美容とか健康にもいいし」。

佐藤さんの目標は、「この場所で農業を続けていくこと」。その持続可能な農業の実現のため、「人を巻き込むことが大切だと思っています。だから、農業インターンや農業体験を受け入れ、いずれは観光客も受け入れてフルーツ狩りもやってみたい」と話してくれました。 さまざまな“人”を巻き込むため、佐藤さんは福島県内外で伊達水蜜園の果物のおいしさをSNSで紹介するアンバサダーや、自社メディアでの情報発信を担うフルーツライターを採用し、情報発信にも力を入れています。

生産者が自ら焼く、極上アップルパイ

そして、スイーツ男子でもある佐藤さんは、自ら力を入れて栽培するグラニースミスと紅玉を使用したアップルパイを開発。「もともと加工場があって、そこでジャムなんかを作っているのを昔から見ていたので…。いろいろ試行錯誤しながらつくってみました」。 こうしてできあがったのが、「旅するアップルパイ」。りんごが豊富にそろう冬季限定のスイーツで、「それぞれの家にアップルパイが旅にでて、おいしいという言葉で帰ってくる」をコンセプトにしています。 グラニースミスと紅玉を濃厚なキャラメルソースで炒め、オリジナルブレンドのアーモンドクリームとともに生地に流し込み、サクサクのクランブルを乗せて丁寧に焼き上げた絶品アップルパイです。

伊達水蜜園のテロワージュは、もちろんこの「旅するアップルパイ」と福島県のテロワールが生み出したお酒。まずは、日本全国のグルメを唸らせる日本酒を。福島で生産されている酒米「五百万石」を使用した日本酒ならばすっきりと、そして「夢の香」を使用した日本酒ならばアップルパイのおいしさをよりふくらませてくれます。 また、福島には小規模ながらワイナリーも点在しており、それぞれが生産者のプライドをもってワインやシードルを生産しています。そんな福島県のお酒と極上のスイーツとの組み合わせの妙を愉しみながら、大人だけの贅沢なデザートタイムはいかがでしょう。

11/10(水)まで姉妹サイト「東北食卓百貨店」にて伊達水蜜園さんの自慢のグラニースミスをご購入いただけます。

ぜひこの機会にお試しください。

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